ギリシャの経済危機のニュースは、去年から盛んに報道されていた。
あれから1年。
ギリシャはEUやIMFからお金を借りて、なんとかやり繰りしているところ。
年金制度や学費制度なども変わった。
以前は無料だった大学も、学費をとるようになったそうな。
交通費もずいぶん値上げされた。
前は0.8ユーロだったバスは、この数年で1.2ユーロ。
まだまだ、値が上がっていきそうだ。

経済危機だからと言って、街に貧困があふれているとか、そういう雰囲気ではない。
以前と変わらず、2月はバーゲンの期間で、みんな列をなして洋服やら靴やらを買っている。
ストライキの日はカフェテリアでお茶をする人であふれ、相変わらずのんびりしてるように見える。

でも、しかし、やっぱり何かが違う。
以前は「なんとかなるさ」的な雰囲気があふれてたけど、特に若い層にとって、
仕事がないことが問題だ。
仕事がない上に、ある程度充実していた社会保障制度も危機的状態にある。
医者や弁護士、公務員など、それなりに保障された仕事を得られれば一安心。
だが、多くの若者は一定期間の契約の仕事をして、契約が切れればまた無職だ。
5年間博物館で働いた友人は、今は失業中。
一年間の失業手当が出るけど、ぜんぜん次の仕事が見つからない。
または、外国で働いて、ギリシャに帰ってきた別の友人は、失業手当てさえもらえない。

こんな感じで、街に物はあふれているけど、将来への不安がどんどん大きくなっていってる。
週三回、何かしらのストライキがあって、交通機関がストップするけど、それも仕方のないこと。

物はあるけど、将来への不安でいっぱいというのは日本も同じかもしれないけどね。